まえがき |
スチームコンデンサーの熱交換装置にはいろいろな無機の付着物(カルシウムとシリカのスケール)と有機物(水藻・細菌・カビ・微生物)が付着すると熱交換効率を著しく低下させます。 |
火力発電所のタービンワークショップのプラカード
”0.1%の真空度のロスは1800t以上の石炭の無駄” |
火力発電所の冷却水として使用される水量は莫大な量です。
特にオープン(開放型)システムでは、スケール防止のため、またスライム対策としての殺菌の化学薬品の使用は大変複雑な技術であります。主な制限的な要因は、大量の化学薬品使用に対する環境面よりの安全性の要求である。なぜならば水循環システムよりのブローダウン(排水)は、結局は自然界の河川や貯水池に放流されるので、許される限りの最大濃縮した水で行われます。
こうした理由でほとんどの場合、冷却水は無処理で利用され、熱交換器に通水されます。その結果、熱交換器の内面が臨界汚染レベル(過飽和)に達する時、装置は化学薬品洗浄の為、または分解して清掃のため設備全体が稼働停止となります。
熱交換器表面のスケールや汚れの清掃には高価な重要な薬剤のコストがかかり、当たり前のことではあるが、その間は設備を利用しないことになり、更に熱交換表面のクリーニングは設備のメカニカルダメージを負う事もあり、時としてスケールが残る事もあり、結果として更に悪化させる事もある。
多くの事例に冷却装置のバイオフィルムによるスライムトラブルはアクアクリア水処理装置で改善する事ができます。この英国製の電磁式水処理装置は化学薬品なしで凝集作用を起します。それはコロイド状で浮遊した粒子並びにパイプ面からのスケールのミクロ粒子から「群れ」を作って、ある種のバクテリアも殺します。作られる群れの表面は胞子をも吸着します。そしてバクテリアの再生を妨げます。この群れは、また水中で有機物を吸着します。そして微生物の食糧源を奪います。アクアクリアは環境にやさしく、それは非常に高い機能効率設備の簡単さと高い信頼性と最小の運転コスト(65w/h)で他の装置に対して優位にあります。 |
アクアクリアの火力発電所のスチームコンデンサーのスライム保護の研究事例を報告 |
テスト期間:2010年11月より2011年7月まで8ヶ月間 |
場 所 :Barnaul市・ロシア 人口612,000人。 この都市はカザフスタン・モンゴル・中国に接する国境の近くにあります。 |
対象設備 :Barnaul発電所。発電所には電気と熱エネルギーを発生します。そしてそれが都市のセントラルヒーティングのために
使われます。 電力は430メガワット(0.43GW)と熱エネルギーは1460ギガカロリー/時です。
(参考までにロシアの全発電所能力は200GWです。) |
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用 途 :スチームコンデンサーへのバイオフィルム(有機物)による汚れに対しての保護
スチームコンデンサー80KCS-1型は、主なマトリックス冷却面積は、F=2345m2で、ビルトインマトリックスF=655m2で
構成され、 熱交換パイプの直径は25mm(1”)です。そしてパイプの材質は真鍮です。 |
使用目的 :スチームコンデンサー内部のスライム付着・沈泥と泥・パイプ面にできている無機のスケール対策(原水は川の水の利用) |
アクアクリアの型式:アクアクリアPU40×2台・メインパイプ径は1000mm(40”) |
アクアクリア設置図面 |
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総流量の7〜10%は市内のセントラルヒーティング用に使用されており、いうなれば絶対に停められない冷却システムである。
アクアクリアPU40型は、2台設置(上図赤部分)され、コンデンサーの入口側と出口側の2ヶ所設置されました。これは、1台目のユニットはコンデンサーのすべての管内のトラブルを防止し、2台目のユニットは上図の赤の点線に電気的ループ(Loop)ができる原因となる双方の管の支柱があるため、効果の低下を防止するために設置されました。 |
アクアクリア設置写真 |
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スチームコンデンサーは、スチームタービンの下にあります。 |
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型式:アクアクリアPU40(1000A)を行きと帰りの双方の管上に2台設置した。 |
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アクアクリアPU40は、パイプライン上に設置されました。 |
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注:自然発生的にプラスチックボルトのネジが抜けることを防ぐために、ロックタイト243が使われました。もう一つの解決は、6重のフェライトリングをプラスチックテープで更にフェライトプレートに蝶ナットのロックで締め付けても良いです。 |
設置の問題 |
発電機の振動により、一晩でアクアクリア装置は下に滑りました。足場(それはパイプラインの限られた所にしか近づけません)に2人で立って、完全にまっすぐにスチールバンドにフィットすることができませんでした。振動によりバンド裏はバンドの長さが多少の広がりがでました。
パイプラインへの完全なアクセスを確実にする足場は、建設されなければなりません。パイプライン軸に垂直にレイアウト線をマークすることは、非常によりよくバンドを置く目安となります。 |
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不十分な時間と準備品不足のために、装置は一時的に再び設置されました。そして支持金具はフェライトリングの下に固定されました。フェライトリングの支持物とパイプラインの間に置かれるくさびと柱を取り替えることは、後日に計画されています。 |
結果 |
冬期活動の間、川の水はより高いスケール成分を含みます。そして、有機物質と生物付着のレベルは特により低いです。発電機の予定された年末のシャットダウンの間と4月にはコンデンサーは開放され、汚れをチェックされました。スケールは、両方のコンデンサーのチューブに存在しました。
アクアクリア処理によるコンデンサーにおいて、スケールは柔らかかったです。感触によってそれらは最も純粋な粉(これはアクアクリアシステム操作の性格特徴です)に似ています。何本かのチューブは有機物の汚れはありませんでした。そしてそれらはジェット水で取り除くことができました。
特定の粉状のスケールは、コンデンサーの後部でも見つかりました。これはアクアクリアの信号がコンデンサー・パイプのすべての長さを十分に通過したという結論を確認いたしました。
2011年7月に発電機が夏期に止められたとき、コンデンサーはチェックするために開けられました。
以下は、アクアクリア利用側のコンデンサーで見つかりました。
・チューブ束の入口室は、異物(木のチップ・プラスチック部品)を部分的に含みました。
・チューブの内面は、沈泥スケールになっています。スケールの特徴-柔らかに水で洗い流せる程です。
大部分のチューブでは、特徴的な金属光沢(真鍮)が見られます。
そしてそれは管の表面の綺麗さを示し、スケールとスライムの付着の無い事を示します。
・出側の室の沈着物の特徴は入口室のそれと類似しています。そして、真鍮製の管の光沢はここでも見られます。
・有機物が腐食した特徴のある悪臭はありませんでした。
もう一つの未処理側の発電機コンデンサーにおいて、以下の相違が見つかりました。
・チューブ束の入口室は、異物(木のチップ・プラスチック部品)を部分的に含みました。
・チューブの内面は、スケールを持っています。スケールの特徴-おそらくそれは川泥です。
・チューブ束は、全体のチューブは詰まっています。
・100%の目詰まりによる強烈なにおい(有機物分解のための特徴)がします。
微生物学的な分析
中央のAnalytical Laboratory Vodokanalの専門家と協力して、ポンプ場の出口側、そして両方のコンデンサーの出口側原水の調査サンプリングを行いました。さらに、これらのサンプルは4件のテストのために微生物学的な分析を受けました。
・耐熱大腸菌群
・総殺菌のカウント
・大腸菌ファージ
・亜硫酸塩を還元しているクロストリジウムの胞子 |
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Index |
Unit |
研究結果 |
吸水ポンプ1
(無処理) |
アクアクリア
処理後 |
吸水ポンプ2
(無処理) |
他のコンデンサー
(無処理) |
1 |
耐熱大腸菌群 |
CFU in
100ml |
234 |
802
(3.43倍) |
126 |
2621
(20.81倍) |
2 |
全体の大腸菌群 |
CFU in
100ml |
234 |
802
(3.43倍) |
126 |
2675
(21.23倍) |
3 |
総細菌のカウント |
CFU in
1ml |
220 |
1200
(5.46) |
130 |
545
(4.2倍) |
4 |
大腸菌ファージ |
PFU in
100nl |
3 |
3 |
見つからない |
6 |
5 |
亜硫酸塩を還元している
クロストリジウムの胞子 |
CFU in
20ml |
18 |
60
(3.34倍) |
17 |
大変多く
数えきれない(∞) |
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化学分析
アクアクリア処理によるコンデンサーが開けられた時に、外部の端から100mm〜300mmへの深さのパイプの表面からスケールのサンプルは、採集されました。これらのスケールの化学組成の分析は、以下の結果でした。
・イグニッションロス 6.2・・・10.7%(強熱減量→有機物)
・シリカ+不純物 83.5・・・89.0%(スケール成分)
・鉄の合成物 5.4・・・ 9.1% |
アクアクリア設置前のコンデンサー内部 (2010年11月) |
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アクアクリア設置後8ヶ月のコンデンサーの内部 (2011年7月) |
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入口室の底 |
入口室の底 |
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出口室のトップ(上) |
出口室のトップ(上) |
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出口室のトップ(上) |
出口側のトップ(上) |
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アクアクリア未処理側のコンデンサー (2011年7月) |
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入口室の底 |
入口室の底 |
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入口室の底 |
出口室のトップ(上) |
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出口室のトップ(上) |
入口室の底 |
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要約 |
この研究の調査結果によると、熱交換器整備士の装置チェックと修繕している会社の専門家は、以下の結論を導きました。
1.温度力監視の結果は、アクアクリアシステムによってコンデンサー熱交換器の表面のクリーニングを強力に行ったようです。
2.視覚の試験の結果によると、有機物付着の抑制はみられました。そして、未処理側のコンデンサーと比較すると処理側は中で
100%詰まっているチューブはありませんでした。
3.微生物学的な水分析に基づいて、アクアクリアシステムが以下の項目に関してスチームコンデンサーの冷却面の有機物の付着を
抑えるという結論を得ることができました。
・耐熱大腸菌群→処理側は3.43倍以下で無処理は20.81倍以上。
・全体の大腸菌群→処理側は3.43倍以下で無処理は21.23倍以上。
・大腸菌のカウント→処理側は5.46倍以下で無処理側は4.2倍以上でほぼ変わらず。
・亜硫酸塩を還元しているクロストリジウム→処理側は3.34倍以下で無処理は大変多く測定不能(∞) |
従ってアクアクリア水処理装置は熱交換器へのスケール付着を少なくし、有機物の粘着物質
(バイオフィルム)付着をより強化的に抑制するという結論に達しました。 |
その他のロシアの火力発電所のスケールコンデンサーの冷却水管設置例 |
ロシアでは既にこの様な大型のアクアクリアが6台程度設置されています。アクアクリア設置後の熱交換器内部は、スケールスライム(バイオフィルム)・腐食のトラブルは一切なく順調に運転されています。 |
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