1 無薬注処理の時 |
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平成8年6月薬注装置故障等による熱交部にシリカ系スケールが付着し、薬品洗浄を行った。その後、薬品を利用し電気伝導率(E.C)を60ms/mにて自動ブロー管理していました。
補給水(井水上水)はpH6.7 電気伝導率30ms/m
シリカ56mg/L アルカリ76mg/L
カルシウム31mg/Lと大変水質管理の困難な水質です。 |
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2 ポーラー設置 |
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平成12年10月24日にポーラー型式:PI-25CFを冷却塔の散水管上に一部バイパス方式にて設置して、無薬品にて従来通り電気伝導率60ms/mにて自動ブロー管理を行いました。
写真は型式:PI-25CFを設置したところ
右よりマグネットストレーナー・ポーラー本体・流量計の3点セットです。 |
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3 ポーラー利用1ヶ月目 |
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平成12年11月22日に冷却塔の熱交部のスケール付着をチェックしたが、スケールは全く付着していませんでしたのでポーラーの効果が確認されました。
水質はランゲリア指数+1.0で厳しいスケール水質でした。 |
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4 ポーラー利用3.5ヶ月目 |
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上水節約のため電気伝導率を更に4倍の120ms/mに濃縮させて過酷な実験を行い、スケール付着のない事を確認し、水代の節約に成功しました。
水質ランゲリア指数+1.8できわめて厳しいスケール水質でした。
しかしスケールは全く付着しませんでしたのでポーラー効果が確認されました。 |
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ポーラー設置図 |
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水質分析結果 |
項 目 |
補給水 |
循環水またはブロー水 |
採水日 |
P・W・C
取付前 |
P・W・C 取付前
薬注処理 導電率60ms/m |
P・W・C取付後(12.10.24) |
@30日目 導電率60ms/m |
A105日目 同120ms/m |
12.11.24 |
12.08.25 |
濃縮度
(N値) |
12.11.24 |
濃縮度
(N値) |
13.02.02 |
濃縮度
(N値) |
pH |
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6.7 |
8.55 |
― |
8.6 |
― |
8.9 |
― |
全硬度 |
mg/L |
81 |
239 |
3.0 |
162 |
2.0 |
310 |
3.8 |
カルシウム硬度 |
mg/L |
31 |
149.7 |
5.0 |
80 |
2.6 |
130 |
4.2 |
塩化物イオン |
mg/L |
19 |
34.9 |
1.8 |
32 |
1.7 |
100 |
5.3 |
シリカ |
mg/L |
※56 |
133.8 |
2.4 |
110 |
2.0 |
120 |
2.1 |
鉄 |
mg/L |
0.06 |
― |
― |
0.07 |
― |
0.17 |
― |
酸消費量(pH4.8) |
mg/L |
76 |
178.6 |
2.4 |
160 |
2.1 |
290 |
3.8 |
電気伝導率 |
ms/m |
29 |
63.8 |
2.2 |
54 |
1.9 |
110 |
3.8 |
ランゲリア指数 |
L.I |
-1.5 |
1.35 |
スケール化
大 |
+1.0 |
スケール化
大 |
+1.8 |
スケール化
極大 |
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(注)電気伝導率の新単位ms/mを10倍すると、旧単位μs/pになります。 |
経過報告 |
12.10.24
電気伝導率60ms/m(薬注時と同じ)の設定にて、薬注を中止し、P・W・C処理スタートした。(写真2)
12.11.22
29日間が経過したがスケールの付着なし。(写真3)
12.12.04
41日間が経過したがスケールの付着なし。 電気伝導率80ms/mにアップした。
13.01.09
77日間が経過したが依然スケール付着なし。 節水効果を確認するため、さらに電気伝導率120ms/mにアップした。
13.02.09
スタートしてから104日間が経過し、電気伝導度を120ms/mにアップした後、1ヶ月を通過したが、依然としてスケールの付着なし。
(写真4)
13.04.08
166日間が通過したが、直接冷却水の散布される直管部分には依然スケール付着なし。
ただし直接散布水の掛からない両端の折り返し曲がり部分に濃縮水の飛沫が乾燥して、スケール付着量が増えたが、これは冷却塔の構造によるものと判明した。高濃縮のため、当然ながらスラッジも増加したが、いずれも本来の冷却能力に影響を及ぼすほどのものではないことは明白である。
13.08.10
290日間が経過したが、依然スケール付着なし。 電気伝導度120ms/mを継続中。 |